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13.9. Windows のエミュレート: Wine

これまでに述べてきた努力にも関わらず、まだ数多くのツールには Linux で動く同等品が用意されていませんし、用意されていても元になったバージョンが絶対不可欠な事があります。これが Windows エミューレーションシステムの役立つ場面です。最もよく知られている Windows エミューレーションシステムが Wine です。
しかしながら、Wine は数ある解決策の 1 つに過ぎず、仮想マシンや VNC でも同じ問題が起こりうる事を覚えておくべきです; 仮想マシンや VNC という解決策は傍注で詳しく説明しています。
思い出すことから始めましょう: エミュレーションを使うことで異なるホストシステム上で (あるターゲットシステム向けに開発された) プログラムを実行する事が可能になります。エミュレーションソフトウェアはアプリケーションを実行するホストシステムを使い、ターゲットシステムに要求される機能を模倣します。
それでは必要なパッケージをインストールしましょう:
# apt-get install wine ttf-mscorefonts-installer wine-doc
インストールが終了したらユーザは winecfg を実行し、(Windows) ドライブに対応付ける (Debian 上の) 場所を設定しなければいけません。winecfg のデフォルト設定は堅実で、幾つかのドライブを自動検出する事が可能です; デュアルブートシステムを使っている場合、C: ドライブを Debian にマウントされた Windows パーティションに設定するべきではない点に注意してください。なぜなら、Wine は Windows パーティションの一部のデータを上書きし、Windows を破壊してしまうかもしれないからです。他の設定はデフォルトの値を使う事が可能です。Windows プログラムを実行するには、最初に wine .../setup.exe を使って Wine の下で Windows プログラムの (Windows) インストーラを実行し、インストール作業を行う必要があります。プログラムのインストールが完了したら、wine .../program.exe を使ってプログラムを実行します。program.exe ファイルの正しい場所は C: ドライブが対応付けられた場所に依存します; しかしながら多くの場合、単純に wine program と実行するだけで十分です。なぜなら、通常プログラムは Wine が探す場所にインストールされるからです。
動かしたいソフトウェアを実際にテストする前に Wine (または類似の解決策) を信頼するべきではない点に注意してください: エミュレーションが完全に動作しているか否かは、実際にそのソフトウェアを使ってみた後に判断するしかありません。